甲状腺内科

甲状腺内科について

1. 甲状腺とは、喉仏（のどぼとけ）の下にあり、蝶形をして気管を取り囲むようにある組織です。
2. 甲状腺ホルモンは全身の各細胞でエネルギー生産量を増大させて基礎代謝量の促進を促します。
   甲状腺の疾患として主なものに甲状腺機能亢進症と橋本病があります。
   甲状腺ホルモンが大量に分泌されるのが甲状腺機能亢進症(バセドー病)です。
3. 動悸や頻脈、発汗、疲れやすくなり、手や指の震えや軟便・下痢しやすいなどの症状が出現します。
   つまり、甲状腺ホルモンが増える状態は代謝が活発になることです。例えとしてマラソンをずっと続けているような状態です。マラソンを続けると動悸や頻脈、発汗、疲労、体重減少などが出てきます。
4. 反対に橋本病とは、一般的に甲状腺ホルモンの分泌が不足することで機能が低下し、新陳代謝が悪くなってだるさやむくみがでてきます。
   全身症状として動作がゆっくりで疲れやすく、むくみやすく体重が増えてきます。
   脈は徐脈になり、息切れ、むくみとなり心肥大となります。皮膚が乾燥してカサカサになってきて髪の毛も脱けたりします。
   こういう甲状腺疾患をホルモン検査や超音波検査を行い診断致します。そして、甲状腺に対する薬などを服薬してコントロールして行きます。
5. 状態が安定しましたら、自然療法的なアプローチも可能です。

甲状腺自然療法

1. 甲状腺は、食欲、エネルギーレベル、体温などたくさんの事を制御しており、身体と感情の司令塔です。また、患者の４分の３が女性という圧倒的に女性に多い病気です。
2. 特に感情は大事で、橋本病は精神的にも不安定になり、落ち込んだりイライラすることが増えるため、うつ病などの精神疾患と間違われやすいのです。そして、バセドウ病は心理テストでは、「自分の感情を感じにくく、不安定な心理状態で会社や人間関係に適応しようとしている。」そうです。また、性格的に、「几帳面や責任感が強かったり、頑張る人」がバセドー病になりやすいことは、わかっています。
3. ところで、腸は第２の脳と言われ、感情をつかさどっています。精神的なストレスによって腸内環境が乱れ、下痢や便秘といった症状を起こしやすくなるのです。｢腹が立つ｣、｢胃が痛い｣といった表現がありますが、英語にも似たような表現があり、お腹と感情が密接に結びついているのは同じです。また、甲状腺疾患は食欲や便秘や下痢を起こしやすいのです。つまり、感情、腸内環境、甲状腺は密接に影響し合っていますので、それらを癒やして調和させてゆきます。
4. しかし、西洋医学では、甲状腺疾患は、薬により甲状腺機能を抑えたり、ホルモンを補充するだけです。いわゆる対象療法だけで、根本的な解決になっていません。バセドー病の再発率は30%以上だといわれています。
5. そこで当外来では、西洋医学の甲状腺薬を使いながら、甲状腺のために良い食事療法や整腸剤などで、腸内環境を整えます。また、感情は身体のバランスを整えるバッチフラワーレメディなどを使用していきます。

甲状腺がん

1. 福島第一原発の放射能事故から、数年が立ちますが、東京電力福島第一原発事故の被曝（ひばく）による子どもの甲状腺への影響を調べている福島県の検査で、受診した約30万人のうち104人が甲状腺がんやその疑いと判定されたことが分かりました。これは、100万人当たりにすれば、352.5名ということです。
2. なお、子どもの甲状腺がんの発生頻度は100万人に1～2人程度と言われていますので、正常の350倍で、異常な数値と言えるでしょう。
3. しかし、政府は未だ、福島の子供の甲状腺癌は放射能との関連は考えにくいとの見解を示し、具体的な政策を行うことはありません。
   2011年当時、関東にもたくさんの放射能が降り注ぎました。
   過度に不安を煽るわけではありませんが、関東でも甲状腺がんが増える可能性があります。
   当院では甲状腺がんや放射能の心配な方には、甲状腺検査や健康相談も行っています。