2015年度の国民医療費が発表され、過去最大の42.3兆円(総額)になると見込まれていることがわかりました。、日本の税収は56兆円です。つまり、約75%が医療費に使われています。日本の財政はこのままでは破綻してしまいます。日本の将来の医療の目標とすべき国は、以外な国でした。
それは、キューバです。
キューバは乳幼児死亡率は米国以下なのです。平均寿命は先進国並みです。また、キューバの医療はワクチン開発など先進的な技術や、世界各地に有償、無償で優秀な医療チームを送る、国際貢献で知られています。国内では医療が無料であるのです。がん治療から心臓移植まで医療費は全て無料です。医学校に米国を含む世界の学生を無料で受け入れていることなども、注目されています。が、まず、話したいのは、「プライマリ・ケア先進国である」というキューバの現実でした。日本の医師も「学びたい」と言います。
また、キューバの国民1人当たりの国民所得は、日本の約5%程度ですが、国の政策と して最底辺の人々に対する配慮を第一に、医療や教育に大きな力をさき、人々の健 康と文化を重視した新しい社会を目指しています。また、共産主義国であったキューバはアメリカと対立していました。冷戦終結後はソビエト連邦の 崩壊等もあり、共産主義圏からの支援は減らされていくことになります。経済的に苦境に立たされたキューバは、特に、医療については「お金のかからない医療体系」について 調査し、必要であれば人を派遣して学ばせていました。
まず、先にも挙げましたが、第一に注目すべきはが、「プライマリ・ケア先進国である」というキューバの現実でした。そもそもプライマリ・ケアとは何なのでしょうか。
いわゆる「家庭医」と呼ばれ、住民たちが気軽に相談する、総合的な医療の判断ができる医師や医療機関のことです。キューバでは、1000~1200人の住民にひとり、プライマリ・ケアの医者がいて、ひとりひとりの健康状態を把握しているそうです。「プライマリ・ケアの8割は予防に重きを置いている」と、キューバの医師が話してくれましたが、病院に来た患者を診察するだけではなく、ふだんから医師が各家庭に訪問するなど、住民すべての健康状態や精神状態を確認する。そうして、健康な人、注意が必要で健康を害するリスクがある人、治療が必要な人などを把握しておくとのことです。
キューバは1963年に東部地方を襲ったハリケーンで1200名以上の死者を出したことから、対策がとられ、それからハリケーンが訪れても犠牲者をほとんど出していないのですが、これにはプライマリ・ケアにより、医師が「住民の健康状態を把握している」ことも大きいそうです。妊婦さんや高齢者を優先的に避難させたり、住民毎にきめ細かく、指示をしていたからだと言われています。
第二の良い点としては、統合医療が挙げられます。近代西洋医学が担う「対症療法」のケアだけではなく、長期の慢性疾患をケアする薬草などの伝統医療、鍼灸、免疫や治癒力をケアするホメオパシー、水の効果を利用して心のケアをする海やリゾート施設での療養、疲れや落ち込みをケアするフラワーレメディ、そのほかにもハチミツやプロポリスの処方、気功や太極拳を取り入れた公園での体操、オゾン療法やはり灸やマッサージ、アロマセラピー、ヨーガや瞑想まで使い医療をするそうです。何て素晴らしい統合医療先進国なのでしょう。日本の厚生労働省や医師会などもキューバを手本に医療改革を進めて欲しいと思います。
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小杉中央クリニック 院長 布施純郎