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気ままなブログ

抗生物質は風邪には効きません。

風邪の原因の約90%はウイルスが原因です。残りの10%が細菌などが原因です。そして、抗生物質(抗細菌性の抗生物質)は90%のウイルスには効果がありません。

抗生物質

 風邪の治る薬を発見すれば、ノーベル賞ものだと言われています。風邪のウイルスは200種類以上あって、それも変異しやすいため、特効薬はありません。それ以外に抗生物質を過度に使う弊害としては、胃痛や失心などの色々な副作用がある。それから、もともと腸内に住んでいる良い働きをしている腸内細菌を殺してしまう。などが上げられます。近年の報告によると引き続いて起こるかも知れない細菌感染症を予防する効果はありません。海外からも日本は抗生物質を出し過ぎだと言われています。

   
 例えば、とびひ(伝染性膿痂疹)の原因は黄色ブドウ球菌という細菌が原因なのですけど、15年以上前に調査した段階で薬剤耐性黄ブドウ球菌が30%ほどあり、現在でも同程度のようですが地域や幼保園などの集団によって幅(50~90%程度)の薬剤耐性黄ブドウ球菌がでており、抗生物質は効かないのです。それから、抗生物質の乱用により薬剤耐性の細菌が増えてしまい、病院などで重症肺炎の患者に使いたい時に薬剤耐性の菌が原因菌ですといざと言うときに効かないのです。さらに、抗生物質の服用で腸内のバランスが崩れて、ぜんそくが悪化する仕組みを、筑波大の渋谷彰教授(免疫学)らの研究チームがマウスの実験で突き止めた。真菌(カビ)の仲間「カンジダ」が腸内で異常に増えて、症状が悪化していた。抗真菌剤などで治療すれば、一部のぜんそく患者は症状を軽減できる可能性があるという。

 研究チームは、感染症の治療に一般的に使われる複数の抗生物質をマウスに与えた。抗生物質の服用の仕方によっては腸内の乳酸菌などの善玉菌が大幅に減り、一方でカンジダが異常に増えた。カンジダは生理活性物質をつくる。この物質が血液によって肺に運ばれると、肺の中で免疫細胞が増えすぎて、ぜんそくの炎症を悪化させていた。研究チームは、ぜんそくが悪化したマウスに抗真菌剤などを注射し、カンジダを治療。その結果、ぜんそくの症状が軽快することも確認した。渋谷教授は「抗生物質の服用で腸内のカンジダが増えて、症状が悪化するタイプのぜんそく患者がいると考えられます。

 また、抗生物質だけでなく、他の風邪薬もあまり、体に良くはありません。細菌感染が強く疑われる場合などのみ抗生物質は使用すべきです。抗生物質以外でも、私も風邪の時は数回のみ薬を使用して、自然治癒させます。また、人間の体は細菌やウイルスなどと戦うため体温を上げています。咳も気管に炎症があるため出るのです。解熱剤や咳止めなどで無理やり症状を止めるのは良くないです。ある漢方の先生は、「熱が上がるのは、きちんとした生理的な防御システムだから、むりやり下げると治りませんよ。症状により2日分の漢方薬を出します。その後の変化によって出す薬が変わってくるので、2~3日したらまたきてください。」と言われるそうです。これは正しいです。ですが、高熱で辛いときには、解熱剤を使って熱を下げる。また、咳が止まらず、眠れないと疲れがとれずに風邪には余計良く有りません。その時には咳止めを使うこれは、仕方ないと思います。私も先日、感染性胃腸炎になりましたが、日にゆっくり休んで、薬を使ったのは、2−3回のみです。薬は使いすぎないようにしましょう。私の患者によく、言っていますが、少なくとも症状が治まったら、風邪薬は止めていいのです。飲みきる必要はありません。

 そして、風邪は薬で治す訳ではありません。風邪の時には、温かくして寝る。栄養をつけて、免疫力を高めることが一番大事です。遊びや仕事は早く切り上げ、ゆっくり休息を取ることです。結論として、ウイルス感染ではなく、細菌感染が強く疑われる時には、抗生物質をダラダラ使わずに短期間で使用することが大事です。

以上、武蔵小杉徒歩2分の内科クリニック、一般内科、糖尿病内科の院長の
布施純郎のお話でした。

Posted by 武蔵小杉の内科|武蔵小杉駅1分の内科なら小杉中央クリニック at / 気ままなブログ