病院がないほうが死亡率が下がる!夕張市のドクターが説く、”医療崩壊”のススメ:夕張市立診療所で院長を勤めた森田洋之氏のお話の抜粋です。
夕張 市は財政破綻でひとつある総合病院が171床これが、19床になり、救急医療もストップされ、救急の際には札幌市まで、60分で運ばれる事になった。その 夕張でのお話です。
この方、90代の女性、お婆ちゃんです。まだお元気な頃の写真。この人ですね、診療所で肺に影が見つかって札幌の病院で検査しました。そしたら肺がんが 見つかったんですね。肺がんが見つかったら、普通は抗がん剤をやるとか、入院して治療しましょう、って話になります。もちろんそういう話をされたそうです が、このお婆ちゃんは、札幌に行って1回検査をしたきり、2度と行かなかった。夕張に帰って、最後まで生活しました。
その亡くなる直前の写真がこれ。すごく良い笑顔ですよね。亡くなる前の日の晩まで、まんじゅうを食べていたそうです。好きなものを食べて、ご家族に、地域の 人々に囲まれながら、最後まで生活することをこの人は選んだということですね。こういうことをしている高齢者がいっぱいいるわけです。よくよく考えたら、僕が総合病院時代に感じていた事、胃瘻の方がいっぱいいるような世界。夕張では、そういう生き生きとしていない高齢者はひとりもいませんでした。
死亡率、医療費、救急車の出動回数、全て下がったただ、これは僕の印象です。何か(夕張には)すごい世界が広がっていると思いましたけど、実は印象だけじゃなくて、数字にも出ていました。例えば、救急車の出動回数。ドンドン下がるのです。ちなみに全国的にはこの10年でほぼ1.5倍。高齢化率が高まれば高まるほど、救急車の出動回数はドンドン増える。普通に考えたらそうだと思います。でも、高齢化率1番の夕張市では、ほぼ半分ですね。救急車が呼ばれなくなった。どういうことか。さっきの お婆ちゃん、救急車呼ばないのです。なぜか。だって、もう、命の終わりを受け入れているのですね。救急車っていうのは、この命を助けてくれ、っていう叫びの もとに呼ばれるものです。あのお婆ちゃんは、助けてくれって思ってないのです。最後まで自分の家で生活したいと思っているのです.
ところで、臨終間近になると、苦しみが患者を襲い、もがき苦しむ肉親を見て、家族は当然のことながら「先生、何とかしてください。お母さんが苦しんでいます。」などと言われて、輸液ルート、導尿バルン、気道チューブ、動脈ライン、サチュレーションモニタなど、身体じゅうにチューブやセンサーが取り付けられます。こういう患者のことを『スパゲティ症候群』と呼びます。そして、『臨終間際の肉親を見舞いに言ったら、身体じゅうにチューブが入れられ、かわいそうで正視できなかった。』という話もよく耳にします。こう言う『スパゲティ症候群』の状態には自分も家族もなりたくないですね。
人間は最後には、死にます。救急患者はともかく、がんなどで最後のわかる患者さんの尊厳は大事にしたいですね。昔はこのおばあちゃんのように死ぬことが多かったのでしょうが、今はほとんどの方は主治医がいます。主治医と患者と家族とがよく話し合うことが大事ですね。最後には、このおばあちゃんのように死にたいですね。
(注:『スパゲティ症候群』というのは、おそらくはマスコミ関係者が作った言葉で、正式な医学用語ではないし、医療機関内で日常的に使われる用語でもありません。)
最後に私の入っているホメオパシー医学会などの講師をしている帯津良一先生が書いた『達者でポックリ。』の中から、
『達者でポックリ」のための12か条を書き出し、編集しました。
1. できるだけ歩く。
2. 気功を身につける。
◦ 【注】川越の帯津先生の病院には気功道場があります。
3. 旬のもの、地場のものを食べる。
4. 好きなものを少し食べる。
◦ 好きなものをときめいて食べることが最大のクスリ
5. 酒をたしなむ
◦ 酒は体によい。∴毎日
6. 早寝早起きをする。
7. いつも希望とときめきをもつ。
8. 生きるかなしみをかみしめる。
9. この世は品性を磨くための道場と心得る。
10. 折に触れ死を想う。
11. わが弱点をサプリメントで補う。
(体質的な弱点が明らかであればサプリメントで補う。)
12. いい場に身を置く
(また、いい人たちと交流をする。)
以上、武蔵小杉徒歩2分の内科クリニック、一般内科、糖尿病内科の院長の 布施純郎のお話でした。