福島県の子供たちの甲状腺がんの調査について
東京電力福島第1原発事故に伴い福島県内で実施している「県民健康調査」の検討委員会が平成27年2月12日、福島市で開催されました。事故当時18才未満だった子ども38万人を対象に実施している甲状腺検査である。また、郵送された問診票に沿って、被曝量が推定されました。
1巡目の甲状腺検査では悪性・悪性疑い110人で、2巡目で新たに悪性・悪性疑いが発見されたのは8人であった。2011 年から2013年度まで実施された1巡目の「先行検査」では、昨年末までの約30万人が受診し、「悪性・悪性疑い」と診断された子どもは110人。そのう ち87人が手術を行い、術後の組織検査の結果、1人を除く86人が甲状腺がんであると確定した。86人のうち、86人が乳頭がん、3人が低分化がんで、一番小さい子どもは事故当時6才。穿刺細胞診の診断時は8才だった。男女比は1:2。経過観察をしながら、残り23人も順次手術を行う見通しである。2巡目で甲状腺がんが確定したのは初めてとなる。また、110 人のうち、基本調査問診票を提出した方は 62 人(56.4%)、結果が通知された方は 59人(推計期間 4 ヶ月未満 5 人を含む)であった。このうち、1mSv 未満の方が 41 人(69.5%) で最大実効線量は 2.2mSv であった。
この結果について山下俊一福島県立医科大学副学長らは、110 人のうち、先行検査終了後に平成26年度から、同じ対象者に加えて、被災時胎児であった者なども含めて二巡目となる本格調査が開始されています。すでに8万2千人が一次検査を受診され、そのうち二次検査対象者が457名であり、甲状腺癌疑いが4名新たに診断されています (0.005%)。暫定データですが、一巡目と比較してその発見頻度は約8分の1となっています。しかし、同じ母集団からの新たな発見であり、いくつかの 問題点を示しています。すなわち、検査間隔2年間という短期間で新たに甲状腺癌が発見されたことから、医学的な常識に照らせば、前回の見落としや検出困難 な画像所見であったのではないかということ。さらに、ちょうど思春期前後という、甲状腺癌の発症において特異的なタイミング(すなわち癌の芽が出て育つ時期)に検査をしているため、放射線の影響とは関係なく、ある程度の頻度で今後も甲状腺癌が発見されるのではないか、また、高感度の超音波検査機器を使うために、良い意味合いでの早期発見の増加している可能性があると話しています。
私の感想としては、山下俊一先生の話では、甲状腺がん及びその疑いのある患者が117名いるにも関わらず、今もなお、放射能の影響は考えにくいとか、思春期前後という、甲状腺癌の発症において特異的なタイミングであるとか訳のわからないい訳を続けているのです。そろそろ、甲状腺がんと放射能の関係について話すべきだと思います。でもできないのは政府などの圧力があるのではと想像します。そして、医学の研究では、結論づける場合には健康な対象と比較することが大事です。つまり、甲状腺がんが放射能の影響でないと言いたいのであれば、関西以西の放射能の無い地域と福島県を比較すれば、良いのである。なぜ、比較しないのかと言えば、彼は「小児の甲状腺がんと放射能の関係がある。」ことを良く知っているからである。また、被曝量に関しては甲状腺がん患者の半数は~0.5未満以下の低線量の被曝でした。すなわち低線量であれば、甲状腺がんができないわけでは、無いことがわかりました。すなわち、低線量の被曝でも危険なのです。福島だけでなく、宮城や山形県また、北関東でも甲状腺検査を行うべきであると考えます。
以上、武蔵小杉駅から徒歩2分の内科クリニック、糖尿病内科、高脂血症、高血圧、一般内科の小杉中央クリニックの院長 布施純郎のお話でした。
福島県の子供たちの甲状腺がんの調査について
Posted by 武蔵小杉の内科|武蔵小杉駅1分の内科なら小杉中央クリニック at / 気ままなブログ