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気ままなブログ

筋萎縮性側索硬化症の人は頑張り屋さん

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、身体を動かすための神経系(運動ニューロン)が変性する病気です。変性というのは、神経細胞あるいは神経細胞から出て来る神経線維が徐々に壊れていってしまう状態をいい、そうすると神経の命令が伝わらなくなって筋肉がだんだん縮み、力がなくなります。しかもALSは進行性の病気で、今のところ原因が分かっていないため、有効な治療法がほとんどない予後不良の疾患と考えられています。そして、アメリカでは、ルー・ゲーリック病とも呼ばれています。

さて、アメリカのヤンキースのルー・ゲーリックの話です。ゲーリッグは毎日プレーを厭わないその頑丈さから「鉄の馬Iron Horse」とか「人間機関車」呼ばれ、1925年から1939の14年間に渡り、当時の世界記録となる2130試合連続出場を果たした。1939年、体調異変を感じて自ら欠場を申し入れ、記録は途切れた。後の診断で筋萎縮性側索硬化と診断されたゲーリッグは引退を決意した。

あるチームメートは、右手中指を骨折したまま、試合に出ていたのを覚えていた。ボールをキャッチする時は、吐き気がするほど痛かったらしい。彼が顔をしかめるのがわかった。それでも彼は、試合に出続けたのである。彼の手をレントゲンで見たら、10本全ての指に骨折のあとがあったと言う話もあります。しかし、彼は、自分の身体にムチをうつのと反対に人には、他の選手や他人には、やさしい気遣いをする一面があったのであった。

話は変わりますが、アメリカのある神経学者は「ALSの患者はなぜ良い人ばかりなのだろう」という論文を発表した。医師のみならず、パラメディカルのスタッフもそう感じていて、神経の検査技師より「この人は感じがあまり良くないので、ALSの筈がない。」と連絡があるくらいであったのである。

また、私(布施)の祖母も実は、昔にALSで85歳で亡くなりました。祖母と中学生の私が山歩きをした時、私が疲れたと言っても、彼女は疲れたと言わず、決して弱音を吐くことがなかった。普段の生活もそういう感じであった。そして、感じが良く、品の良いおばあさんと思われていました。私が医師になり3年目に彼女は亡くなりましたが、彼女は、病気は感情から来ることを私に教えてくれたのであろうと今になり感じています。そして、ホーキンス教授や学習院の篠沢教授もALSで亡くなりました。みんな頑張り屋さんで、感じの良い人でした。

ALSの患者たちの人生からは、子ども時代における感情の欠乏や喪失が浮かび上がってきます。彼らの特徴的な性格は、自分に厳しく、自分を駆り立て、助けを求める必要を認めようとせず、精神的にも肉体的にも痛みを感じることを認めないというものであった。こういった感情や行動は発病するずっと前から、存在したものであった。また、この病気の方に見られる感じの良さは、本人を周囲の人が持つイメージに合わせて、患者みずからが作ったものである。つまり、ルー ゲールックなら、たとえ、試合に出場できない状態でも周囲の人が持つイメージに答えて、感情にふたをしてにっこり笑って試合に出るのであった。ALSは感情から来る病気の代表格だと思います。
Lou" Gehrig ALS

さて、ALSの治療ですが、やはり、薬や食事療法で治るわけでは、ありません。その人の性格やインナーチャイルドや魂も変わって行かなければなりません。「できない。」「疲れた。」「助けて欲しい。」と言っても良いのです。

参考文献の著者はこう言っています。友人である看護師のDさんは、発症して数年後、手足だけでなく、呼吸筋も衰えてきて、死期が近いことを悟った。しかし、彼女は、せめて、死ぬ前までに一度くらいは、自分を無条件に愛したいと感じていた。彼女は、毎日15分間鏡の前に座り、自分の身体の一カ所を選んでそこを愛するということを続けた。まず、両手から続けた。そして、身体のいろいろなところを愛してあげました。そして、彼女はALSを克服したのであった。そして、彼女は、ALSが治ったあと雑誌に「子どものころから人の役の立ち、人に受け入れられて、価値のある人間になるためには、自分の望みは、犠牲にしなければ、ならないと信じてきたことに気づいた。命を脅かすほどの病気になって、自己犠牲による奉仕の行き着く先は死の袋小路だということにきがつきました。」と寄稿した。

あるアメリカの教授は、毎日意識的に自分を見つめ、自分を愛することで身体のそれぞれの部分が解凍され、治癒したのだと言っています。私も同感です。自分を愛することはとても大事です。

皆さん、病気は、臓器が悪くなって、起こる病気ばかりではないのです。感情や生き方が反映されている病気もとても多いのです。悪い感情や思い込みは治して行かなければ治らないのです。

 

 

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Posted by 武蔵小杉の内科|武蔵小杉駅1分の内科なら小杉中央クリニック at / 気ままなブログ