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気ままなブログ

鼻水には小青竜湯。

鼻水には小青竜湯(ショウセイリュウトウ)。

 西洋薬に苦手な症状も漢方改善することも少なく有りません。また、副作用が少ないのも漢方の特徴です。当院では、ご希望の方や妊婦さんなどを中心にマイルドな漢方を処方しております。漢方をご希望の方は声をかけて下さい。

 さて、今日は「小青竜湯」(ショウセイリュウトウ)という漢方のお話です。消化器や呼吸器系の機能が低く、水分代謝が悪いタイプがゾクゾクっとする風邪を引いたり、せきやたんが出る時に。水っぽい透明な鼻水がダラダラ出たり、ゼーゼーするせき、慢性的なアレルギー性鼻炎などの症状に、「小青竜湯」が効果を発揮します。「小青竜湯」は、悪寒、発熱、鼻炎、気管支炎、気管支喘息、急性気管支炎、花粉症のくしゃみ・鼻水などに使用されます。体の水気を巡らし体内を温めることで、くしゃみ、鼻水、咳などを改善します。飲んだ時の酸っぱい味は配合生薬の五味子の特徴です。

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 小青竜湯などの漢方には色々な成分が配合されています。その成分を見てみましょう。この薬は2000年に渡って処方されてきた薬です。
 漢方は自然の草木や鉱物などの成分である「生薬」を組み合わせて出来ています。小青竜湯は下記の8種類の構成生薬から作られています。
半夏(ハンゲ):サトイモ科カラスビシャクの球根
、桂皮(ケイヒ)乾燥シナモン
、芍薬(シャクヤク):キンポウゲ科の多年草シャクヤクの根
、 麻黄(マオウ):マオウ科の植物の茎
、甘草(カンゾウ):マメ科の多年草カンゾウの根
、五味子(ゴミシ):マツブサ科チョウセンゴミシの果実を熟成させたもの
、 細辛(サイシン):ウスバサイシンなどの根や香辛料としても頻用される
。乾姜(カンキョウ):ショウガの根茎を乾燥させ効力を強めたもの
、上記のうち、麻黄が発汗作用と咳の沈静化をし、利水と言って体の中に滞った水をさばいて鼻水などの症状を改善します。細辛にも利水効果があります。乾姜・半夏は体の中の水のめぐりを良くし、吐き気などを止める作用があります。桂皮は発汗解表と言って、発汗する事で肌表の邪(病気もしくは症状)を取り除きます。芍薬・五味子は気管支のけいれんによる咳を鎮める効果があります。甘草は上記の生薬のバランスを取る調和剤として働きます。

 また、小青竜湯の適応はツムラなどによると以下のものです。体力中等度又はやや虚弱で、うすい水様のたんを伴うせきや鼻水が出るものの次の諸症:鼻閉、くしゃみ、喘鳴、咳そう、気管支炎、気管支ぜんそく、鼻炎、アレルギー性鼻炎、むくみ、感冒、花粉症です。体力中等度ということは「中間証」という標準的な体質の人に最も効果が高い様に生薬の構成が設定されており、殆どの人が内服できます。また鼻水・鼻づまりのみならず、くしゃみや咳などの呼吸器症状、目の周りのかゆみなどの皮膚症状、結膜炎にも効力を持つ生薬を配合しているために花粉症で漢方治療を希望する人の実に60%以上に小青竜が最も有効という報告もあります。

しかし、乾いたせきや、粘っこい痰がでるような症状には合いません。また、発汗作用があるので、慢性的な症状や、根本的な治療が必要ですので、医師に相談しましょう。また、花粉症の西洋薬の副作用である眠気ですが、それらに比べて、小青竜湯は眠くなりません。また、皮膚や粘膜を必要以上に乾燥させないというのも大きな利点です。

 飲む時間としては、一般的には食事と食事の間の空腹時、食事をする1時間前など、お腹が空で胃に吸収されやすい時期に飲みます。胃腸が荒れやすい人には食後、排便をうながすタイプの漢方には、空腹時の服用を勧める場合もあります。なお、食間に飲み忘れたときは、食後でいいので飲みましょう。皆さん、西洋薬の鼻水の薬の多くは、眠気の副作用がありますが、これには、ありません、風邪の時には、小青竜湯を試しに飲んでみましょう。

以上、武蔵小杉徒歩2分の内科クリニック、一般内科、糖尿病内科の院長の
布施純郎のお話でした。

Posted by 武蔵小杉の内科|武蔵小杉駅1分の内科なら小杉中央クリニック at / 気ままなブログ