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気ままなブログ

(1)ノロウイルスに検査は必要か?

冬になると、流行るのは、インフルエンザだけでなく、ノロウイルスです。今日は、ノロウイルスについて、話ましょう。

 ノロウイルスは毎年11~1月に流行する、感染性胃腸炎の原因となるウイルスです。主にヒトの手指や食品などを介して感染し、おう吐、下痢、腹痛などの症状を引き起こします。ノロウイルスの治療薬や予防のワクチンはなく、特に抵抗力の弱い子どもやお年寄りは吐いた物を喉に詰まらせたり、肺に入って肺炎を起こして死亡するケースもあるので注意が必要です。またノロウイルスは感染力が非常に強く、感染者の吐物やふん便中に含まれる数百万~数億個のうち、わずか10~100個程度で感染すると言われています。このように非常に強力なウイルスとして知られ、少量でも感染能力があるばかりか、新型ノロウイルスは、過去に一度ノロウイルスに感染していても免疫がつかず、何度でも感染する可能性があります。

 初期症状としては、発熱は37度代〜38度前半のことが多く、39度近い高熱が出ることは、少ない。激しい下痢や嘔吐や腹痛がひどいことが、多いです。一般的に風邪やインフルエンザにかかると、咳、鼻づまり、のどの痛み、関節痛、頭痛、悪寒などの症状が出やすいですが、ノロウイルスの場合はこのような症状は一般的には出ません。反対に、インフルエンザなどでは、下痢や腹痛などの症状がでることは、少ないです。
 
 長くなるので、今回はノロウイルスの検査に焦点を絞って話しましょう、最近、ノロウイルスを迅速診断するキットが出てきました。しかし、保険適用は3歳未満および65歳以上ですので、対象外の方は、3000〜4000円の実費負担請求となります。
 私は、この迅速キットでの検査が必要か、否かと問われると、「必要なし。」と答えます。その理由は(1)迅速キットび精度が50から70%と精度が低い。(3)便を綿棒で自分で取らないといけないので、検査が大変である。(4)嘔吐下痢症の原因となるウィルスには、主に秋冬のノロウイルス、冬春乳児のロタウィルス、その他のウイルス(アデノウイルス、サポウイルス、アストロウイルスとか)があります。この中で多いのはノロウイルスとロタウイルスで、とくに流行期には、ほぼこのどちらかと言って良いでしょう。さらに冬はノロが圧倒的に多く、90%くらいはノロウイルスと考えて良いでしょう。

 胃腸炎ウイルス種類

ウイルス性胃腸炎の原因

 胃腸炎流行ウイルスと時期

ウイルス性胃腸炎の時期

(5)ノロウイルスに対しては、「対症療法」のみでしか治療できないため、乳幼児や高齢者にくらべ、体力や免疫力のある大人へのノロウイルスの検査は、その後の治療に影響しないと言われています。ノロウイルスは感染すると、嘔吐や下痢、腹痛など症状としては苦しいものが多いのですが、免疫力の低下した人や老人では、脱水症になり、重症化することがありますが、一般の人では、決して死には至らない病気です。治療としてはノロウイルスには特効薬はありません。ウイルスが体外へ排出されるのを待つしか無いのです。その間、下痢のひどい間は、あまり食物は食べないで、腸管を休ませてあげて、しっかりと水分補給させて、安静にしているのが、大事です。下痢が治まってきたら、お粥やスープなどおなかにやさしいものから、食べて栄養を付けて下さい。

 結論として、私は、ノロウイルスの迅速キットなどの特別な検査などは行わず、通常は症状を聞いたり、周りの感染状況や問診だけでノロウイルスに感染しているかどうか診断することが多いです。ノロの疑いが濃いなら、自宅でゆっくり休んだ方が良いですね。

小杉中央クリニックのある武蔵小杉タワープレイスには、眼科、耳鼻科、整形、歯科などのクリニックなどがあり、医療モールを形成しています。当クリニックは、以前と変わらず、皆様に、軽い病情でも気軽に相談できるクリニックを目指しています。これからも、よろしくお願いいたします。

 

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Posted by 武蔵小杉の内科|武蔵小杉駅1分の内科なら小杉中央クリニック at / 気ままなブログ