日本は遺伝子組み換え作物の輸入大国です。
遺伝子組み換えについての第三弾です。「輸入相手国の遺伝子組み換え作物(GM)作付け比率などから推計すると、トウモロコシや大豆など主要4作物の2013年の輸入量は約1622万トンと10年前から4割増え、4作物の輸入に占めるGM比率は合計で8割 を超えています。」と宮城大学教授の三石誠司さんは話しています。 国別のGM輸入量は、少なくとも6000万トン以上とみられる中国が恐らく世界最大ですが、日本も1000万トンを超す輸入大国です。日本の食料自給率は13年度に39%。うち飼料用トウモロコシは0%、大豆も10%未満です。そして、残念ながら日本は大量の遺伝子組み換え作物を主に米大陸から輸入しています。推定ですが、大豆、トウモロコシ、ナタネのほとんどが遺伝子組み換えになっていると言われています。さらに、人間が食べるのでは無く、牛や鶏などの家畜が遺伝子組み換えの飼料用トウモロコシや大豆を米国やブラジルから輸入しています。遺伝子組み換えの餌で育った肉を食べることは間接的に遺伝子組み換え大豆やトウモロコシを食べることになるのですが、表示義務はないのです。
さて、遺伝子組み換えの食べ物というとあまり、見た事がありませんが、表示義務はどうなっているのでしょうか? 遺伝子組み換え農産物がその商品の原料の上位3位以内、全重量で5%を超えなければ遺伝子組み換えを使っていても表示しなくてよいとされています。食品添加物などは遺伝子組み換えを使っていても消費者には知らせる必要がないことになっています。しかも、醤油、大豆油、コーンフレーク、水飴、異性化液糖、デキストリン、コーン油、菜種油、綿実油、砂糖は、表示が不要とされています。トウモ ロコシや大豆から作ったこれらのものの多くは現在日本では多くが遺伝子組み換えを含んでいると思われますが、それは表示する義務がないのです。日本の菜種油はそのほとんどが遺伝子組み換えを原料としており、そうでないものは生協やこだわりのある生産者から買わない限り、買うことができないのが現状です。「遺伝子組換えでない」の表示でも、重量で5%未満の遺伝子組換え作物の混入が許されています。EUの0.9%未満に比べて大幅に高いものとなっています。そのため、日本で遺伝子組み換えでないとして売られている同じ食品がヨーロッパでは遺伝子組み換え食品として売られているケースがあります。そして、お菓子やジュースには、異性化液糖つまり、遺伝子組み換えのとうもろこしなどでできた糖分が大量に含まれています。異性化糖とは、ぶどう糖の一部を果糖に転換(異性化)したもので、砂糖液と同程度の甘味度があります。
その異性化糖の原料は90%以上がアメリカ産のトウモロコシから出来たコーンスターチで、残り10%弱は国産のジャガイモデンプンとさつまいもデンプンである。アメリカ産のコーンスターチは輸入されているほとんど全量が遺伝子組み換えされていると言うから、かなりの量の遺伝子組換えトウモロコシが異性化糖に化けて我々の食卓に上っているわけです。 コーラ、発酵乳酸飲料、フルーツジュース、清涼飲料、ポン酢などの調味料、ドレッシング、パン、アイスクリームケーキ、缶詰、漬物、スポーツドリンク、酒類、チューインガム、ジャム、佃煮、練製品、粉末製品などの成分表を見てください。必ず「ぶどう糖果糖液糖」又は「果糖ぶどう糖液糖」なる文字が目に付くはずだ 。この2つを総称したものが異性化糖である。異性加糖は約30年前に開発され、今では多くの飲食品に使われている。その消費量は、醤油の消費量とほぼ同じ年間100万トン以上が消費されているという。大雑把に国民一人当り毎年10Kgの異性化糖を採っているということになる。グリーンピースの調査をもとにEU基準で遺伝子組み換えを使用している企業をランキングしたところ、ワースト1は『カール』『明治ミルクチョコレート』などに使用リスクが高い明治ホールディングスとなった。日本政府は毎年、多数の遺伝子組み換え作物の食用、飼料用などに承認しており、耕作にもすでに98種を承認しています(2014年1月27日現 在)。その中には他の国では禁止されているものがあり、最近では米国や南米で大反対されている枯れ葉剤耐性の遺伝子組み換えなども含まれています。残念な がら、こうした実態を日本のマスメディアはまず報道しないのです。