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牛乳で骨粗鬆症を発症。

牛乳で骨粗鬆症を発症。

 「骨粗鬆症を予防するために、カルシウムの豊富な牛乳を飲んだほうが良い。」と皆様考えていると思いますが、今日は、牛乳の話です。まず、牛乳を飲むと、牛乳に含まれる乳糖ラクトースを、腸内の「ラクターゼ」という酵素で分解する必要があるのですが、しかし、人間は乳幼児期をすぎるとラクターゼの分泌が止まってしまうのです。それは人間以外の動物にも共通しています。そして乳児を除く日本人の腸には、牛乳のカルシウムを吸収するために、必要なラクターゼという酵素が少ないことがわかっています。ラクターゼの欠乏の割合はアフリカ黒人90%,タイ人90%,日本人85%,アラブ人78%,アメリカ白人8%,デンマーク人2%の順になっています。つまり、長く牛乳を飲んできた欧米人と違い、日本人には牛乳を消化することには向いていないのです。日本人はどんなに牛乳を飲んでも、カルシウムは分解・吸収されることなく、ほとんどがそのまま排泄されてしまっていたのです。なぜ日本人は、牛乳をこんなに飲むようになったのか。戦後よりアメリカの政策で、学校の給食にパンや牛乳が導入されることになり、戦後の日本は、アメリカの小麦や乳製品の大量消費国につくりあげられたのです。
 カルシウムと骨粗鬆症

 ところで、「牛乳を1日コップ3杯以上飲むと寿命が短くなる」ということがが発表されています。スウェーデンのウプサラ大などの研究チームが同国中部の45~79歳の男性4万5,000人、39~74歳の女性6万1,000人を対象に女性は約20年、男性は11年間にわたり食生活や健康状態などを調査。その結果、男女とも牛乳の摂取量が多い人ほど、少ない人と比べて死亡率が高かった。しかも女性では骨折が増えるという。10年間で1,000人あたりの死亡数を比較すると、女性では1日3杯以上牛乳を飲む人は180人、1杯以下は110人。男性では3杯以上が207人、1杯以下は182人で女性の方が3杯と1杯での差が大きかったという。一方、股関節の骨折では、女性は3杯以上が1,000人中42人、1杯以下は31人だった。また、違う研究では、アメリカやニュージーランド、スウェーデンなどのカルシウム摂取量の多い国では、シンガポールや香港などの摂取量の少ない国に比べて大腿骨頚部骨折が非常に多いと報じています。(図7)
 
 牛乳の何がいけないのでしょうか? 20年以上ベジタリアンの食事をしている女性は、80歳までに骨のミネラルの平均18%を失う。 一方、肉食愛好の女性は、平均35%を失う。タンパク質をとればとるほど「カルシウムを体外に出される」と言われています。すでに1920年代の科学者は高タンパク食が 尿を通じてカルシウムを失う原因となることを知っていた。典型的な研究の一つに、若者にタンパク質を1日40グラムから141グラムに増やした食事を与えた実験がある。タンパク質が増えたほうは、尿から出される カルシウムが、2倍になることがわかった。そして動物性タンパク質を特に増やした場合、この影響が大きい 。

 骨粗鬆症が蛋白質のとりすぎによるものであればイヌイットはこの病気にかなり苦しめられているはずです。彼等は蛋白質の摂取量も世界一多く、1日に250gから400gを魚、セイウチ(ドド)、クジラからとっているからである。現実は残念ながらイヌイットは世界でもっとも骨粗鬆症にかかりやすい民族の一つなのである。

 では、カルシウムは何から、摂れば良いでしょうか。ずばり、和食が良いのです。カルシウムは、小魚、ほうれん草、小松菜、昆布、ワカメ、ひじき、切干大根、豆腐、納豆に多く含まれるので、骨粗鬆症防止のためは、このような食材を選ぶのも良いのです。汁をとる時も、昔は、小魚や昆布、しいたけなどからとっていましたが、現代では手軽な添加物だらけの顆粒だしなどを使うことが多いですよね。それではカルシウムは取れません。昔ながらの和食が一番です。和食を中心に食べましょう。

 

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Posted by 武蔵小杉の内科|武蔵小杉駅1分の内科なら小杉中央クリニック at / 気ままなブログ