これは、2016年12月28日のブログの記事の復刻版です。
2016年12月27日に第25回福島県県民健康調査検討委員会が開かれました。その席上で、本格検査2巡目(2014年度、2015年度)で68名の小児甲状腺がんの子どもたちが見つかったことが報告されました。もはや、スクリーニング効果とは言えません。 単純に言って、年間34名の子どもたちが小児甲状腺がんを発症するのはありえません。すでに、先行検査(2011年度、2012年度、2013年度)で、前倒しに発見されるべき、甲状腺がんの子どもたちはすべて見つけているはずです。つまり、この68名の子どもたちは、2014年以降に発症した新たな小児甲状腺がんです。また、福島市内に対象を絞ると、先行検査と本格検査との小児甲状腺がんの有病者数が同じになりつつあります。福島にこどもたちが、住むことにより、新たに甲状腺がんになる可能性が、高いことを示しています。
年間34名(2年で68名)の子どもたちが小児甲状腺がんを発症するのはありえません。正常の34倍の甲状腺がんの発生率です。チェルノブイリ(ベラルーシ)での甲状腺がんの最大の発生率は福島の子供の検査人口に合わせると約24名です。福島はチェルノブイリの約1.4倍で福島は危険です。チェルノブイリの最悪の甲状腺がんの発生率より、福島が高いのです。
そろそろ、「放射能と甲状腺がんとの関係はない。」という結論ありきの議論はやめてもらいたいです。そして、子供たちや妊婦は福島県の福島市や郡山市や伊達市などの甲状腺がん多発地域から避難させるべきです。危険な可能性が高いなら、避難させるのが、人道ではないでしょうか。
さらに、私がベラルーシの医師から学んだことは、こどもだけでなく、大人の甲状腺がんがすごく増えていることを知りました。米国でも甲状腺がんが増えているので、ベラルーシの大人の甲状腺がんは放射能が原因であるということは、認定されませんでした。私の持論ですが、甲状腺がんは、放射能だけでなく、大気汚染や添加物やいろいろなものが関与している複合汚染と考えます。その中で最も危険なのが放射能です。大人でも決して安全ではないのです。また、こどもの甲状腺がんは、ベラルーシでは事故後4年後くらいから発症者が増え出して、10年後にピークがきます。福島は事故後5年です。まだこれから、甲状腺がんが増えるのです。大人に限れば、25年後の2010年でも甲状腺がんがふえています。
ベラルーシの子供及び青年の甲状腺がんの発生割合
さらに、この事を放射能の防護活動をされている中学校の理科の先生の川根先生の記事をシェアして、深夜FACEBOOKにこの記事を投稿しました。ところが、「いいね。」が一つもありません。放射能関係の記事はいつも30人から100人に「いいね。」をもらっています。つまり、他の人に表示されない状況になっています。政府や福島県にとって、こういう情報は不都合なのでしょう。FACEBOOKがそこに協力しています。「川根先生ブログ」もしくは、何らかFACEBOOKに引っかかるキーワードになっているのでしょう。
また、少し前に取り上げた福島県が設置した県民健康調査検討委員会の委員の清水先生の話があります。子供の甲状腺検査を評価する部会の清水一雄部会長(日本甲状腺外科学会前理事長)が、検討委に辞表を提出しました。清水氏は検討委が3月にまとめた「放射線の影響とは考えにくい」との中間報告に疑問を感じ、「部会長の立場では自分の意見が言えない。」と辞任を決めたという。政府や福島県には良心はないが、医師には、良心はあるのです。FACEBOOKの情報統制はあっても、こういう福島の放射能に対する真の情報を届け続けて行こうと考えています。
東京近郊も福島原発のの事故の際には、多くの放射能が降り注ぎました。当院では、子どもだけでなく、大人にも甲状腺検査を行っております。 小杉中央クリニック 院長 布施純郎