トランス脂肪酸は、牛乳や牛肉のように天然に微量に含まれているものと、油脂を加工・精製する工程でできるものの2種類あります。品包装の裏に書かれている成分表示で言うと、マーガリン、ショートニング、ファットスプレッド、食用植物油、加工油脂と表示されているものにトランス脂肪酸が含まれています。ショートニングとはラードの代用品としてアメリカで開発された人工油脂で、クッキーやビスケットといった菓子類やパンにはたいてい入ってます。サクサクとした触感を出すのに使われます。
そして、動脈硬化学会では、心臓などの動脈硬化が進むため、コレステロールと飽和脂肪酸を多く含む肉の脂身、内臓、皮、乳製品、卵黄およびトランス脂肪酸を含む菓子類、加工食品を摂りすぎないようにアナウンスしています。それから、トランス脂肪酸を含んでいる食品を食べつづけるとトランス脂肪酸が体内に蓄積し血液どろどろになったり、細胞膜の脂肪酸と置き換わると今まで柔らかく流動性を持っていたものが融点が体温以上のため硬くなり細胞膜の機能や免疫力が損なわれる事になります。また、摂り過ぎると血液中の悪玉コレステロールが増えて善玉コレステロールを減らす働きがあるため、動脈硬化や心臓疾患の原因となるといわれています。WHO(世界保健機関)も、トランス脂肪酸の摂取を抑えるべきだとして、1日当たりの総エネルギー摂取量の1%未満とすることを勧告している。しかし、日本ではいまだに食品への表示が義務付けられていません。
平成30年6月に行われた国会の衆議院厚生労働委員会の議事録で、衆議院議員の山井先生が食に詳しい医師の山田豊文先生の名前や活動、著書などを紹介しながら、トランス脂肪酸の問題について言及しました。
問題点:
・世界保健機関(WHO)が2023年までにトランス脂肪酸の根絶を呼びかけている。
・今年6月からアメリカ食品医薬品局(FDA)が部分水素添加油脂の食品利用の規制をスタートする。
・アメリカではトランス脂肪酸の規制を行うにつれて、さまざまな健康問題が減少した。
・今後、トランス脂肪酸による健康被害がますます深刻になる。
・小さな子どもへの悪影響が特に懸念される。
こうした背景を山井先生が説明しつつ、トランス脂肪酸に関する表示義務化の必要性を訴えました。しかし、出席していた大臣や副大臣は、食品安全委員会の「日本人の摂取量はWHOの指針よりも少ないから問題ない。」という主張に徹するばかりで、「小さな子どもが犠牲になる。」と伝えても「バランスのよい食事が大切。」と返すだけでした。
10年前にも内閣府に向けて、山井先生が質問しましたが、当時の内閣府の回答は、まさにけんもほろろといったもので、10年が経過した今回も同様です。
発達途上の子どもは「大人を小型化したもの」ではありません。全てが未完成であるがゆえに、大人に比べて有害物質への脆弱性が非常に高い上に、有害物質への耐性もきわめて低いのです。心身のさまざまな機能が完全に成熟した大人とは、何もかもが全く異なっています。それなのに、有害物質に対する基準値や指針は子どもも頑強な大人も同じ扱いになっています。その為に早くから心と身体を崩す子供達が急増し続けています。」と山田豊文先生は話します。
そして、山田豊文先生からコメントがありました。 政治で1番大切な事は国民の命と安全を守る事です。日本はその基本が失われて、多くの人が苦しんでいる異様な社会です。全く、その通りだと思います。食の安全を守るのが政府の仕事だと思います。
小杉中央クリニックは、武蔵小杉北口から徒歩1分のクリニックです。一般内科や糖尿病内科などの西洋医学だけでなく、自然医療やアレルギーや食の安全についても追求し、皆様にアドバイスをして行きたいと考えています。何か、気になる症状やアレルギーなどが、ございましたら、お気軽に相談に来て下さい。よろしくお願いいたします。院長 布施純郎
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