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気ままなブログ

これはひどい。福島の子どもたちの甲状腺がんの話

御用学者の東京大学名誉教授・早野龍五氏と、福島県立医科大学准教授・緑川早苗氏の「福島県における甲状腺検査のこれまでとこれからについて。」「福島県における甲状腺検査のこれまでとこれからについて。」

長いので要約を下に載せます。

緑川   原発の事故後「甲状腺検査を手伝うように」と言われたときにも、正直なところ「それはやらなくちゃいけない」と思い、甲状腺検査を始めました。

毎日、不安を抱えたたくさんの住民の方々が、「この子の甲状腺を検査してほしい」と受診に来ました。

福島の子供 甲状腺がん

早野 親子の過剰な心理的負担を減らすためには、検査やその結果について丁寧な説明をする必要がありますね。しかし、当初先生は1日に1000人近くのお子さんを検査しておられたので説明は大変でしたでしょう。

緑川 毎日検査の現場でプローベを握りながら、一方で放射線を専門とされる先生方から放射線のことを学んでいました。そして、「どうやら、それほどたくさんの被曝をした人はいないようだ」ということがわかってきました。

緑川   甲状腺検査の本格検査は、原発事故当時18歳以下および年内に生まれた方が25歳になるまでおおむね2年ごと、それ以降は5年ごとに実施される計画がされている。甲状腺を含む多くのがんは加齢とともに増加するため、今後福島でのスクリーニング検査対象者の年齢が高くなれば、甲状腺がんの発見数は大きく増加することが予想される。

そもそも甲状腺がんの特徴として、他の病気による死亡者に解剖をしたら甲状腺がんがたくさん見つかるということがあります。これはつまり、「生涯にわたって、自分の甲状腺にがんがあることを知らないまま、普通に生活を送っている人が、とてもたくさんいる」ということです。ですから、無症状で検査をしたら、その「一生気づかなかったかもしれない甲状腺がん」が見つかることはあるんですよ、と、お母さんたちには説明しています。

また、韓国で乳がん検診とともに甲状腺のスクリーニングを行った結果、発見された甲状腺がんの数はそれまでの約15倍に増えたものの、甲状腺がんによる死亡率に変化がなかった(注4)。この結果から「福島で、今後30代以降を対象に甲状腺のスクリーニングを行うようになれば、一生症状の出ないタイプの甲状腺がんが非常に多く発見される可能性がある」と過剰診断の危険性を指摘する専門家は多いのです。

早野 科学では、「ゼロです」ということの証明はできません。でも、今後、初期被曝の推定などさまざまなデータが明らかになっていって、放射線の被曝による健康影響は統計的にもゼロに近いということは言えるようになるでしょう。

対談の後、緑川医師にコメントを求めた。

「福島の子どもたちは大丈夫です。それが、私がはじめから信じて、なによりも守らなければいけない言葉です。」これが、福島の甲状腺検査の現場で、福島の子どもたちと向き合い続ける医師の言葉である。

要約はここまでです。ここからは布施純郎の感想です。

福島県の子どもたちには、正常の30倍以上の甲状腺がんが発生しているのです。

そもそも子どもたちに放射能を浴びさせ、線量の高い時に避難をさせずにレントゲン室の放射線管理区域のようなところに住んでいるにもかかわらず、早野氏と緑川医師は放射能はチェルノブイリほどでなく大丈夫と言っています。

さらに緑川医師は高齢で、死亡する際に解剖すると気づかないうちに甲状腺がんができていて、これは放っておいても大丈夫な甲状腺がんなのです。多くの甲状腺がんは放置しても大丈夫ですとは良く無責任にものを言えるのでしょうか。甲状腺切除が子どもに与える影響を全く考えていません。すなわち大人の自然発生の甲状腺がんと、小児期に放射能を浴びた子どもの甲状腺がんを並べて同等に扱うのはやめて欲しい。

また、緑川医師の言葉

「福島の子どもたちは大丈夫です。それが、私がはじめから信じて、なによりも守らなければいけない言葉です。」と言うような情緒的な言葉を使い、県民を惑わせるのはやめてほしい。

この放射能被害は、チェルノブイリのデータが、チェルノブイリの近隣のベラルーシでは、子どもだけでなく、大人の甲状腺がんがとても増えています。福島第一原発の事故は未曾有の問題であり、何が起こるのかわかりません。安易に福島の子どもたちは大丈夫です。なんて言えないのが普通だと思います。それが、常識的な医師の判断です。

例えば、他県で胃がんや大腸がんが起こりやすいと思える人には、毎年内視鏡を勧めますよね。それと同じで福島県の子どもの甲状腺がんは毎年のエコーと経過観察が必要です。

本当にこれは御用学者と御用医師の対談ですね。これはひどい。

 

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Posted by 武蔵小杉の内科|武蔵小杉駅1分の内科なら小杉中央クリニック at / 気ままなブログ